私たちのゴールは、クラゲも人間も幸せに生きられる世界を作ること。そのためには、クラゲと人間の衝突を減らし、「厄介者」という認識をなくしていかなければなりません。
しかし現状、クラゲによる産業被害が毎年のように起こっており、沿岸産業にとってクラゲは完全な「厄介者」。
クラゲが大量に発生して産業被害を引き起こしているという問題に対して、私たちは2つの方法でアプローチしています。
それが、「クラゲの発生を予測する」「発生したクラゲを有効活用する」ことです。
クラゲによる産業被害の詳細はこちら。
現状予測できていないクラゲの大量発生を、科学的な研究に基づいて予測することを目指して、大量発生のメカニズムの研究を行っています。
クラゲは、有性生殖と無性生殖の両方を行う生活環を有しています。無性生殖においては、ひとつの個体からクローンの個体がいくつも生まれたり、有性生殖に切り替わるタイミングではひとつの個体から数十匹のクラゲが生まれたり、我々人間には想像もつかない増え方をすることが特徴です。
海洋環境にどのように応答して、クラゲが増えるのか。それを探るために、特徴的な無性生殖と、有性生殖への切り替わりのタイミングの関連遺伝子や生体分子の研究に取り組んでいます。これを解明することで、我々人間が観測できる海洋環境と、容易には観測できない海中でのクラゲの挙動を結びつける関数を定義し、高精度な発生予測を実現することを目指します。
これによって備えができるようになれば、人間とクラゲの衝突を減らすことができるでしょう。
もし発生を予測できるようになったとしても、クラゲは存在しますし、完全に人間とクラゲが隔絶されて生活することはできません。衝突を完全になくし、クラゲが無惨な姿になることを0にするのは、残念ながら難しいでしょう。
それならば、産業廃棄物になる厄介者としてではなく、良いものとして世の中に送り出していきたい!
そんな思いで、私たちはまずクラゲのクラフトビール、「くらげクラフト」を作りました。
世界初(*佐藤愛海調べ)の、クラゲを使ったクラフトビールです。今回は、日本近海で最も一般に見られるミズクラゲ(Aurelia sp.)を用いています。コラーゲンも水分もまるっと閉じ込め、クラゲの持つ清涼的なイメージに合わせて、塩レモンで香りをつけました。安全性の確認も、食品分析により完了しています。